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予防歯科のすすめ

1.「発症させない」、「進行させない」、「再発させない」ことが大切
天然の歯に勝るものはありません。できることであれば、 生涯を通じて、自身の健康な歯のままで美味しいものを食べ、 人と語らい、笑顔で過ごすことは誰もが望むことでしょう。

むし歯や歯周病、不正咬合などのお口の問題を 「発症させない」「進行させない」「再発させない」ことが歯科治療の基本的なスタンスであるという信念のもと、 皆様のお口の健康づくりのお手伝いをさせていただければと思っております。
2. 予防歯科を始めましょう
むし歯になってから神経を抜いてセラミック冠をかぶせたり、歯周病で歯が抜けてしまってから入れ歯やインプラントをするよりも、健康な状態を維持することにエネルギーを費やした方が、経済的にも時間的にも、そしてQOL(生活の質)の点でも、計り知れない大きなメリットがあることは明らかです。

予防歯科はよく、屋根に空いた穴と雨漏りに例えられます。屋根にぽっかり空いた穴を放置してビショビショになった床の水を拭き続けても、いずれ床が腐ってきます。 まずは屋根の穴を塞ぐことが先決でしょう。

要するに、 なぜむし歯ができたのか、なぜ歯周病で歯が抜けてしまったのか? これらの「原因」を探して根本から対処する、そんな当たり前のことから始めるのが予防歯科の基本的な考え方です。
「原因」を探して対応するのが「予防歯科」
3. まずはご自身のお口の状況を知ってください。
むし歯や歯周病のなりやすさは人それぞれ違います。

様々な検査によって、むし歯や歯周病の危険性、 いわゆる「リスク」を判定します。お口の状態を詳しく把握することによって、 より効果的なむし歯予防、歯周病予防の作戦を立てましょう。
まずはご自身のお口の状態を知ってください
4.お口の病気を予防するために大切なこと
むし歯、歯周病、不正咬合(乱れた歯並び)を予防するために、それぞれ大切なことを挙げてみましょう。
1 むし歯予防のポイント
●ていねいな歯みがき
●食生活(とくに砂糖、酸性食品の摂取のしかた)
●再石灰化を意識した生活習慣
●フッ化物(歯みがき剤、うがい薬など)
●定期検診での早期発見
●精密につくられた隙間のない補綴治療(セラミック冠など)
2 歯周病予防のポイント
●ていねいな歯みがき
●生活習慣(食生活含む)
●断煙
●歯ぎしり対策
●定期検診と歯周ポケットコントロール
●精密につくられた隙間のない補綴治療
●咬み合わせの安定(入れ歯やブリッジ、インプラントなど)
3 不正咬合予防のポイント
●正しい姿勢
●生活習慣(食生活含む)
●悪習癖の改善(口呼吸、爪かみ、舌癖、寝相など)
●遺伝的問題の早期発見と対応
特に、お口の2大疾患であるむし歯や歯周病は、基本的には“感染症”ではありますが、 同時に“食生活習慣病”としての側面が強く、生活習慣、食習慣の改善を含めた総合的な対策が必要です。

長谷川歯科医院にはお口の病気を予防する多くのノウハウがあります。 一人一人の状況に合わせた「オーダーメードの予防歯科」をご提供します。
5.メインテナンス”の絶大な効果
むし歯や歯周病予防のために、もう一つ大切なことがあります。
下の表をご覧ください。厚生労働省が5年に一度行う最新の歯科疾患実態調査から、 各年齢の残存歯数を示したものです。縦軸は歯の残存本数、横軸は年齢を表します。年齢を重ねると歯はどんどん失われていきます。 この結果だけ見ると、人の歯は年とともに抜け落ちてしまい、入れ歯になっていくものだと諦めてしまいそうです。
歯科の「メインテナンス」をご存知ですか。 むし歯や歯周病を治療したあとに再発予防と歯の保存を目的として行われる、 検診と口腔内バイオフィルムの破壊を目的とする専門的なクリーニングを含めた定期管理のことです(ただの歯科検診とは違います)。

2004年に北欧の研究グループが、長期メインテナンスに関する臨床研究を報告しました。 進行した歯周病やむし歯の治療後にメインテナンスを受けた550名の患者群の、30年間にも及ぶ長期的な追跡調査です。 歯科治療後に適切なメインテナンスを継続して受けた場合、30年間での歯の平均喪失本数はわずか1本程度でした。 しかも歯を喪失した理由はむし歯や歯周病によるものではなく、そのほとんどが歯の破折でした。

このことからわかることは、毎日のセルフケアに加えて歯科医院での専門的なメインテナンスを続けることで、 むし歯や歯周病の発生を抑え、歯の喪失を防ぐことができるのです。歯は決して年齢とともに失われていくものではありません。
2012年の厚労省の調査では、日本での定期メインテナンス受診率はわずか10%弱です。メインテナンスをしなければ統計通り歯は失われていきます。 北欧と日本では状況が違い単純に比較はできませんが、前述の研究結果から生涯ご自身の歯を維持していくことは可能である、ということがわかります。
健康は積極的に得るもの。歯を維持するために行うわずかな投資は決して無駄ではありません。 ご自身の大切な歯を失わないために、歯科での専門的メインテナンスを受けましょう。
健康は積極的に得るもの。お口のメインテナンスを受けましょう。
6. 健やかな生活は、まずはお口の健康から
お口の健康状態は体のさまざまな病気に関係しており、全身の健康に直結します。以下に例をあげてみます。

もし深さ5mmの歯周ポケットが口腔全体に存在した場合、 毒性の高い細菌性プラークに汚染された歯周ポケット内の組織潰瘍面の大きさは、 まさに手のひらサイズ(約80cm2)にもなります。

この状態では細菌毒素や炎症性タンパク、またはバクテリア自体が毛細血管内へ流入して全身を回ることになります。 これにより心内膜炎や動脈硬化症などの循環器系疾患を引き起こしたり、糖尿病を悪化させたりすることが明らかになっています。 口腔内細菌が血流にのって心臓に到達し、命に係わる問題を引き起こすことから、心臓外科手術の前に集中的な歯科治療を行い、 口腔内の感染源を可能な限り除去することが、現在では当然のこととされています。
むし歯や歯周病が、さまざまな病気の引き金になることも
そして毎日の口腔ケアは大切です。1日2回以上歯を磨く人は1回しか磨かない人に比べて、がん罹患率が3割低いという報告があります。 胃や腸管のピロリ菌を除菌した患者の半数以上から、依然歯周プラーク内のピロリ菌が検出されます。歯周ポケットがピロリ菌の供給源となっているのです。 呼吸器疾患との関係も深く、高齢者の死亡原因の多くを占める細菌性肺炎の7割以上が、口腔常在菌が原因であるとも言われています。 またインフルエンザで重篤な症状を示す患者では、口腔内細菌が協調してウイルスの感染力を高めることがわかっています。 口腔内のバクテリアを甘く見てはいけません。
7.口からはじまる健康長寿
抜けた奥歯を放置すると、ものを噛み砕く働き(咀嚼機能)が著しく低下します。 その結果、食べにくい野菜や肉などの摂取が少なくなり、無意識のうちに軟性食品、とくに炭水化物に偏った食生活になります。 食品多様性がなくなることで、高カロリーにも関わらずたんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などの必須栄養素の摂取量が低下し、 骨量や筋肉量の低下、脂肪量の増加、基礎代謝の悪化を招きます。お口の健康が全身的な虚弱(フレイル)と極めて深く関係していることは、 近年行われた大規模追跡調査(柏スタディ2014東京大学)などをはじめ、多くの研究で明らかになっています。 お口の健康が損なわれることで、まさに全身の老化が早まるのです。
健やかな生活は、まずはお口の健康から
このように、お口の健康は全身の健康に直結します。「予防歯科」はお口の問題だけではないのです。口からはじまる健康長寿。日頃のお手入れと専門的なお口のメインテナンスで、健康的な生活を送りましょう。

担当医紹介

院長 長谷川昌輝

博士研究員としてスイス・ジュネーブ大学予防歯科学講座に2年間勤務し、 口腔細菌バイオフィルムの研究に従事。歯科先進国スイスの予防歯科を学んだ経験を生かして 科学的根拠に基づいたお口の病気の予防管理をご提案します。
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